令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験問題

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実質価格:1525円

ブランド:凡人社

評価:★★★★☆ (4.2 / 5)

📢 Amazonでの購入者の声を紹介します


【1】

やくにたつ


【2】

単純に過去問だけで解説が全く無いので、基礎学習を終えた後にやらないと、やる意味が半減します。


【3】

試験勉強に役立つ


【4】

いいね


【5】

要求しすぎかもしれまでんが、折角だから、答えのヒントとして、何を扱ったのか位のキーワードぐらいは、明記してほしいかな。


【6】

デジタル版を作ってほしい。


【7】

合格します


【8】

本書は、令和4年度日本語教育能力検定試験の試験問題と12月の合格発表時に出される「正解」をそのまま収めたものです。この検定には以前からいくつかの問題点があり、本年度はさらに増えています。1) 試験内容と解答に関することこの検定試験は、試験問題に関しては、出題して「正解」を発表するだけで、それ以外は何の説明もありません。しかし、毎年誤出題や記述式問題の粗悪解答があり、解答を左右する出題ミスは珍しくありません。しかも近年それが増えています。令和4年度の試験は、新たな〈出題範囲〉に基づいて行われました。大きな出題方針には異議はなく、学ぶところが多々ありますが、技術的には例年以上に多数の問題点があります。本年度で最も目立ったのは、各選択肢の語句をそろえるなどの正解肢を隠す「工夫」をしたことで、正しいはずの選択肢の記述が正しくなくなっていることです(試験Ⅰ問題1(9)、同問題3D(20)、試験Ⅱ問題5・1番問1および試験Ⅲ問題12問1)。試験Ⅱ問題3・1番は、発音が「ハ」なのに正解肢が「ファ」の図になっています。同7番の正解肢は、音素 /a/ の発音が[a]でなく[ɑ]であることの聴き分けが前提となっていますが、こんな聴き分けは日本語教育では不要です。同問題4・1番の会話スキットでは、たった今なされた発話を指して「さっき」と言っています。問1の正解肢を隠すためにスキットのほうを「工夫」したのでしょう。試験Ⅲ問題17(記述式)は、日本語学校での自己評価の導入を扱った問題で、五つのキーワードの中から複数を選択使用する指定があります。出題者解答例は、①自己目標の設定・評価の導入、②自己評価の問題点の指摘、③ルーブリックによる自己評価 という順序で論じられ、③が②を解消する「魔法の杖」のようになっています。これは論じる順序が逆です。また、①のように教育方法として小さく対処するのでは、評価理論関係の二つのキーワードは登場する余地がなく、出題意図が不明のまま残されています。2) 誤りがあったときの対応本試験で納得しがたいのは、誤りがあっても何も対応しないことと、記述式問題で粗悪な「正解」がたびたび出てくることです。本試験の作問担当者が出題誤りを(少なくともかなりの程度まで)知っていることは、誤りがあった二、三年後までに、試験科目を替えて(試験Ⅰ⇔試験Ⅲ)、同一または隣接の番号の問題で類題を出題するという「なんちゃって訂正」がしばしばなされることから分かります。本年度の2年前の令和2年度は、コロナの初年度で作問と点検の態勢が満足にとれなかったのか、出題ミスが噴出しました。しかし、翌年度も本年度も「なんちゃって訂正」らしき出題はありませんでした。新試験になったのを機に「なんちゃってリセット」をしちゃったのでしょうか。3) 本書の販売開始の遅延等毎年刊行される本シリーズの発行日は「3月20日」でしたが、コロナ禍以降かなり遅くなりました。発売日の予告も不安定で、本年の場合、日本国際教育支援協会の公式ホームページでは「4月19日」、Amazonの予約では「4月28日」でした。しかし、実際に書店の店頭に並び、Amazonから発送されたのは5月3日、公式予告日から2週間後でした(なお、本書の奥付は「4月25日」となっています。)。なぜこんなことになっているのか。私は、発売が遅延するたびに、今年こそ記述式問題の出題者解答例を見直すなり出題ミスに対応するなりするのだろうと期待しました。しかし、毎回期待はむなしく、今回も見直しはなし。「どうしよう、どうしよう」と検討したあげく、どうしようもなくてそのまま出しているのでしょうか。4) その他(日本語教育学会の責任)令和5年5月26日、「日本語教育機関認定法」(略称)が成立しました(令和6年4月1日施行)。この法律により、法務省が所管している日本語教育機関(いわゆる告示機関)を文部科学省の所管に移すことと、国家資格である「登録日本語教員」を創設することが決まりました。本検定には国家資格に関わる重要な位置づけが与えられることになります(ただし、本法の策定に関わった有識者会議の提言では、記述式問題の存続については消極的な方向での言及がなされています。)。しかし、このような試験内容、運営実態で国家資格に関わろうというのは、虫がよすぎませんか。これは制度的には主催者(日本国際教育支援協会)の責任ということになりますが、本検定で深刻なのは、以前から試験内容に不備や誤りが頻出しているのに、そのことが等閑に付され改善のきざしすらないことです。これは作問に携わっている日本語教育学会の責任です。受験参考書の惨状を含め、本検定に関わっているこの学会の人たちは、一体何をやってきたのか。主催者は場合によってはすげ替えることも可能でしょうが、学会は乗り換えようがない。本検定の作問と監修の態勢を強化し、誤りがあったときの対応を公正なものにして、国家資格に関わる検定にふさわしいものにしてください。


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※この記事は 2025年6月26日 時点の情報です

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