評価:★★★★☆ (4.3 / 5)
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【1】
まだ十分な材料が集まっていない段階、あるいは分析が進んでいない段階で、自分なりの仮説を持つ。この仮説を証明していくというストーリーに沿って分析を進め、最終的にプレゼンテーションに仕上げる。仮説を立てることで、やるべきことがクリアになり、無駄な分析に時間を割く代わりに、論点を深く考えることができる。結果、早く正確に問題点を発見し、解決策を導くことができる。仮説思考の対義語が網羅思考。思いつくかぎりの課題をすべて並べて順番に力技で検証したり、関連する情報を網羅的に収集したりするため、問題の本質を見極めるのに膨大な時間を要し、その割に質の高い成果に繋がらない。仮説思考の重要性と実践方法を解説したビジネスパーソンの必読書であり、「イシューからはじめよ」安宅和人著と併読すると、更に理解が深まります。振り返ると、私自身、ビジネスの現場で短時間で課題の本質を見抜き、ラフなストーリーを作ることを得意として来ました。一方、細部の詰めが甘いので、網羅思考の人から揚げ足を取られて苦しみました。その際、仮説思考という言葉を知っていれば、理論武装して反論できたのにと悔やまれます。本書の中で、日本の大企業では網羅思考の人が権力の座にあることが多く、それが成長を妨げているという趣旨の記載があり、首がもげそうなくらいうなずきました。
【2】
内田和成著『仮説思考』は、ビジネスパーソンにとって必須のスキルである「仮説思考」を解説した一冊です。著者はボストン・コンサルティング・グループ(BCG)での20年の経験を基に、問題発見と解決のための具体的な方法論を提供しています。本書の最大の特徴は、仮説を立てることの重要性を強調している点です。内田氏は、情報が不十分な段階でも仮の答えを持つことが、迅速かつ効果的な問題解決に繋がると説いています。これは、徹底的な情報収集や分析に時間をかけるよりも、仮説を立ててから検証する方が効率的であるという考え方に基づいています。序章では「仮説思考とは何か」を定義し、第1章から第5章にかけて、仮説を立てる方法、仮説を使う方法、仮説を検証する方法、そして仮説思考力を高めるためのトレーニング方法が詳述されています。特に、実例を交えた解説が豊富で、読者が実際に仮説思考を実践する際の参考になります。内田氏は、仮説思考を身につけることで、情報の海に溺れることなく、大局観を持って仕事を進めることができると述べています。例えば、顧客からの苦情対応を例に挙げ、現状をゼロベースで考え直すことで、創造的な解決策が生まれると説明しています。このように、仮説思考は単なる問題解決の手法に留まらず、ビジネス全般における意思決定の質を向上させるための重要なスキルであることが強調されています。また、本書は読みやすさにも配慮されており、ビジネス書としては珍しく、軽快な筆致で書かれています。これにより、ストレスなく内容を理解し、実践に移すことができます。さらに、仮説思考を実践するための具体的なトレーニング方法も紹介されており、自分自身のスキルを向上させるための道筋が示されています。まとめると『仮説思考』は、ビジネスパーソンが効率的かつ効果的に問題解決を行うための必読書です。内田氏の豊富な経験と具体的なアドバイスが詰まったこの一冊は、仮説思考を身につけたいと考える全ての人にとって、非常に有益なガイドとなります。
【3】
仮設思考について、この本以外にも読んできましたが改めて仕事への取組み改善に繋がりました。特に本書を読んで気になった点を以下に記します。・仕事の進め方における「仮説思考」の重要性問題解決においてまずは仮説を立て、出したい「答え」を特定する重要性を強調しています。私も闇雲に作業をしながら答えを出そうとし、無駄な調べ物作業を多くしがちです。最初に出したい答えを定めることで、必要情報、必要な調査を特定し、効率的に解決策を見つけることがてきます。そのためには仮説の精度もありますが、それは本書でも一部触れられていた、以下の対応で鍛えられると思います。・日常から仮説思考を普段触れるニュースや出来事から、自ら仮説を立て、それに対して答え合わせをする。そのプロセスは、仮説思考力を養う上で非常に有効と感じました。ということで私は生成AIも活用しながら日々、仮説思考の訓練と実践をしています。・誤った仮説を立てることを恐れない積極的に仮説を立て、検証し、改善を繰り返すことで、結果的に仮説思考力は向上する、とあります。上記の生成AIではなく、いざ他の人との関係が絡むと、失敗して嫌な思いをするとかもあります。ただ、そのプロセスがあって成長と私も思いました。
【4】
仮説をうまく立てることで効率よく仕事を進めていく。その重要性とやり方を詳しく説いた本。具体例も多く、指南書のようになっているが個人的にはもっとコンパクトにまとめても良いのではないかと思った。本書の冒頭に、データを集めてそれを検証していく時間はない、だから効率よく仕事を進めるには正しい仮説設定が重要だ、とある。確かに一昔前ならそうだっただろう。しかし今ではデータなど簡単に、そして大量に集めることができ、その解析はコンピューターがやってくれる。なので今の時代はもはや「仮説」を立てることが必要なくなってしまったのかもしれない。むしろ、仮説は、(大量のデータを解析し、ある因子とある因子の相関関係を見出した)コンピュータ―が与えてくれるものであり、人間はその仮説の理由付けを行う仕事がメインになってくるのではないかと思う。当方コンサルティングなど経験したことがないので、ただの素人意見です。
【5】
『仮説思考』は、限られた情報と時間の中で効率的かつ効果的に問題解決を進めるための考え方を解説した一冊です。特に「仮の答えを持つ」という仮説思考の基本的な概念が、実務のスピードや質を高めるカギであることを多くの事例を通じて説得力をもって示しています。本書の魅力は、仮説を立てるだけでなく、その仮説をいかに早く、そして的確に検証するかというプロセスにまで踏み込んでいる点です。「化粧品の売上打開策」といった身近な事例を用いて、実際のビジネスの流れに沿った説明がされているため、仮説思考を具体的にイメージしやすく、すぐに実務へ応用できるようになっています。一方で、筆者が強調する「スピード」の重要性は、日本人にありがちな慎重さや完璧主義とは相反する考え方であり、その点に新鮮さを感じました。ただし、実務で実践する際には、スピードを重視するあまり精度が犠牲にならないよう、自分なりのバランスを見つける必要があると感じました。本書を読み進めることで、仮説を活用して問題を発見し、解決へと導く能力を磨くことができます。特に、仮説をただの「推測」に終わらせず、検証を通じて成果につなげる重要性を改めて実感できる内容でした。
【6】
仕事を進める上で重要な考え方だし、分かりやすかった。同じ著者の「論点思考」も読んだが、良い仮説とは何かの見極め方等、こちらの方が具体的に自分の仕事に取り入れられるように丁寧に書かれていると思う。仮設ありきで進めることで、その仮説が成り立たなかった場合も、その検討の中で得られた知見から進めるため、その方が効率的というのは、その通り。
【7】
いい感じ
【8】
本書は不確実性が高いビジネス環境で、仕事を前に進める為に必要な素養を示している。情報が集まるまで仕事が進められないと思い込むビジネスパーソンは多い。不確実な環境は居心地が悪く、判断を下すには勇気がいる。情報が限られた中でも意思決定を行う方法論が解説されており、適応範囲は広いと感じました。
【9】
オススメできない。話が具体的でかえって分かりにくい。私たちの多くは一般の会社員または学生等であり、コンサルではない。コンサルっぽい話ばかりで端的につまらない。小売や製造等の個別具体的な事例を聞きたいわけでなく、一般の仕事に通づる仮説思考について知りたいのだ。細谷功先生なら「話が冗長で一言で言えば済むものを同じ話を何度もしている」というかもしれない。仮説思考は本当に大切な考えだ。この本の中途半端な仮説思考ではなく、"真の”仮説思考を身に付けるために細谷功さんの「地頭力を鍛える 問題解決に活かすフェルミ推定」と「具体↔抽象」トレーニングを読むべきだ。この本とは考え抜かれた時間が違うことが分かる。この本を読む時間はもったいない。
【10】
この本は、教育関係者や高校生に読んで欲しい。本書はビジネス書ですが、探究的な学びがなぜ必要なのかを考えるヒントになります。自分の興味や関心事を探究のスパイラルで深めていくというのが探究学習の進め方ですが、深めるには自分なりの疑問を持つ必要があります。それが本書で言うところのSo what?に当たり、その答えを考えるのが仮設思考です。そして、仮設思考を繰り返すことで、思考のスピードが上がるというのも本書が伝えたい重要な内容だと思います。日本の科学技術を支える研究者になりたい人も、将来ビジネスの世界で活躍したい人も、公務員として地域に貢献したい人も、身につけておくといい思考法です。そんなの大学受験や就職にはまだ必要ないでしょ、と思った人もそうではありません。数学の問題でも、最近の共通テストの問題でも、答えを見つける作業は仮設思考そのものです。つまり、正解に至る精度を上げるという意味で、仮設思考は役立ちます。
※この記事は 2025年6月26日 時点の情報です