忘れられた日本人 (岩波文庫 青 164-1)

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価格:1078円(ポイント 33pt)

実質価格:1045円

ブランド:岩波書店

評価:★★★★☆ (4.3 / 5)

📢 Amazonでの購入者の声を紹介します


【1】

友人から勧められて読みました。内容の面白さにかんげきしました。


【2】

明治-大正-昭和に至る聞き取り民俗学。素朴な庶民の知恵が、何気ない会話のなかで見事に語られている。夜這いや、一夜ぼぼがなんのてらいもなく語られて愉快だった。


【3】

現代の日本の社会とは全然違う。我々が素朴に想像できる「昔の社会」というのはせいぜい戦前まで、地理的には都会+近郊くらい、もしくは創作に登場する江戸くらいしかないということを思い知らされる。未知の世界がこの本にはある。


【4】

この本の内容を短く説明するなら 社会的弱者の高齢男性の自分語りでしょうか?特に「土佐源氏」はそれを強く感じました。この人物が語る内容は、どうも自分に都合良く話している気がしますし、今なら犯罪でしょうね。全体的にこの本から他のレビュアーさんが評価されていた「朗らかさ」や「面白さ」を感じませんでした。性差の違いでそう感じたのかもしれません。読んでいて自分がこんな目にあったらと思うと、ゾッとします。ただこの本に出て来る時代背景は相当な昔で、出版されたのも50〜60年位前なので、おおらかだったのでしょうね。でも自分的には受け入れ難い内容でした。


【5】

数多くの著作を上梓した民俗学者・宮本常一の不朽の名著。雑誌『民話』に連載された「年寄たち」を纏めて編集したとあるように、宮本常一が実際に旅をして出会った老人達から聞いた話を書き綴っている。勿論、話…といっても決して壮大な冒険譚だったり、稀有な経験談などではない。本当に日常を切り取ったような…然しながら、嘗ての素朴な暮らし、生活の知恵、人々の助け合いなどが描かれているので、正しく、私達が忘れてしまった日本の原風景を思わせるような一冊であった。本書に収録されているのは全13編。何れの話も温かみがあって心に染み渡るが、中でも個人的に印象深かったのは冒頭に収録された「対馬にて」である。ここでは、村の「寄り合い」の様子が備に描かれており、宮本が村の資料を見たいと申し出た事を切掛けに、「資料を貸しても良いかどうか」を皆で集まり延々と話す情景を取り上げているのだ。結論は中々出ない…というのも、寄り合いは、一つの話題について喧々諤々と議論を交わすのではなく、あの話題…この話題…と移り変わりながら、意見を取り交わしていくからなのである。そして、誰かが宮本を見て「悪そうな人ではないし、貸してあげても良いのではないか」と纏めると皆も同意…そこで条件などを含めて決定するのだ。ここには、何ともほのぼのとした時間が流れており、とある村の日常の一こまが目の前に再現されたようでもあった。尚、ここでは一話だけ紹介させて頂いたが、何れの話も個性的で興味を惹かれるものばかりなので、皆様にも是非とも本書を読み頂きたいと思う。老人達のささやかな思い出話。ここにあるのは、温かく、そして緩やかに流れる時間だ。そしてそれは、決して歴史書に載るような事はない…然しながら、彼等が生きた証なのだ。


【6】

戦前の、いわゆる田舎の百姓や漁師のルポ。そういう人たちが、貧しく単調な生活を送る、かわいそうな搾取の対象だった訳ではなく、けっこう刺激的で、充実した人生を送っていたことがわかる。特に「世間師」と呼ばれる人の生きざまは、冒険心があって、読んでいてわくわくした。


【7】

数百年、あるいは千年以上前から育まれた社会の知恵がたかだか百〜数十年の現代的常識で不要の習慣に出来るわけがなく、あらゆる社会的問題の解決の糸口がここにある。


【8】

日本人の素朴さと、行動力が優しくもあり知恵をみんなで共有しながら生きる道を探し、何より現代にはなくなった年配者を敬う姿を考え直す時期であると一石を投じられた気がします。


【9】

日本の地方には、過去にこんな世界が有った事を知って欲しい。


【10】

本の状態はとても良かったです。


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※この記事は 2025年6月26日 時点の情報です

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