評価:★★★★☆ (4.3 / 5)
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【1】
本書は、「プロダクトを成功に導くための全プロセス」を一貫したストーリーとして学べる、まさに総合的なガイドブックです。アイデアの段階からマーケットフィットを探り、リリースを経て持続的な成長を目指すまで、必要なステップを体系立てて説明しています。そのポイントを大きく3つにまとめると、以下のようになります。1つ目は「ビジョンと戦略を軸にしたプロダクト開発」です。どんなに技術的に優れていても、あるいは斬新なアイデアがあっても、その根底に「なぜこれをつくるのか」「ユーザーと社会にどう貢献するのか」という明確なビジョンがなければ長続きしません。本書ではミッションやビジョンの作り方、さらにビジネスモデルや収益構造との整合性を取る実践的なアプローチが紹介されています。2つ目は「チームビルディングとリーダーシップ」です。プロダクトマネージャーは、いわゆる“ミニCEO”と呼ばれるように、エンジニアやデザイナー、マーケターなど多彩なメンバーを率いる役割を担います。本書では、心理的安全性の高いチームを育み、ステークホルダーと合意形成を図りながらプロジェクトを進めるためのヒントが至るところに散りばめられています。単なる理論だけでなく、会議の議事録の残し方からふりかえりの手法、キックオフの進め方まで、きめ細かいノウハウが読んでいて嬉しいところです。3つ目は「リリース後も続く仮説検証と改善サイクル」。成功体験の裏に必ずある“泥くさい”取り組みや、小さな失敗を積み重ねながら正解に近づいていくプロセスを、本書はリアルに描写しています。大規模開発におけるPMが抱える悩みや、スタートアップのようにスピード重視で進める際に必要な視点もカバー。読後には、プロダクトづくりが常に「実験」と「学習」の繰り返しであることを改めて実感させられるはずです。加えて、本書では「チーム内外のコミュニケーション」を可視化し、情報格差を生まない工夫の大切さを強調しています。リモートワークやアウトソースなど多様な働き方が進む現代では、対面のみならずオンラインチャットやプロジェクト管理ツールを活用することで、全員が同じ方向を向ける組織づくりを実現する。この実践知が豊富なのも魅力でしょう。プロダクトマネージャーに留まらず、UXデザイナーやエンジニア、あるいはマーケターにとっても、自分の仕事がどう全体に貢献するのかを見通せる貴重な知識源です。「一つのプロダクトがビジネスを変え、社会を変える」という説得力のある事例も紹介されており、「自分もこういうサービスを育ててみたい!」というモチベーションを与えてくれます。
【2】
『GAFAも取り入れたトヨタの「チーフエンジニア制度」との比較–共通点と3つの違いから学ぶ』(Uchubiz)の記事でもまとめておいたが、特にアメリカから日本に紹介されるプロダクトマネジメントはトヨタ自動車の主査由来のものだ。ご多分にもれず、これにも「プロダクトマネージャーはミニCEOである」の意味が冒頭に語られている。これは、主査制度を社内制度にすることを決断した豊田英二氏の「担当車種に関しては、主査が社長であり、社長は主査の助っ人である」という言葉の「社長」を「CEO」と置き換えたアメリカ人学者の翻訳本の影響からだ。著者である及川氏の解説するフレームワークは、プロダクトをCore、Why、What、Howの4つの階層に分けて構成されている。Core:プロダクトの世界観となるミッションやビジョンと、プロダクトとして企業にどのような貢献を期待されいるかを表す事業戦略。Why:誰のどんなペイン(障害)とゲイン(期待する効果)を、なぜ自社が満たすのかという理由。What:プロダクトのWhyを実現する狭義のプロダクトが示す解決策。ユーザー体験、ビジネスモデルの2種類がある。また、それらの実現順序となるロードマップや指標も含まれる。How:Whatを実現するための実現方法。(狭義のプロダクト)アイデア発想を出す手段が、Ask why in a hard way(「なぜ」とハードに突っ込んでいく)、属性分解、マンダラート、SCAMPER法、ペアデザイン、よび名を変える、制約条件を与える、制約条件を外すの8つあることだけが紹介されている。日本からアメリカの経営学者に渡り、GAFAに伝わったトヨタ製品開発システムの流れを解説した記事『創業者・豊田喜一郎氏が命がけで「事業化」を確立 90年代からDXを先取りしていたトヨタ製品開発システムの独創性』(JBpress)と比較すると、及川氏の方法論は、プロダクトの目的そのものが価値創造になっていないこと分かる。しかし、面白いことに、リーンキャンパスのように、トヨタのA3カルチャー由来と思われる考え方が紹介されている。つまり、もともとのトヨタ製品開発システムという重量級プロダクトマネジメントシステムをアメリカの学者が紹介したときに、その表層をフィールドワーク調査で捉えたものを、GAFAが取り入れ、それをGAFAの日本法人がキャッチアップしたものが紹介されているのだ。IT業界の外資系日本法人に勤めたことのある人には分かるが、そこにイノベーションはまったく必要ない。必要なのは、マーケティングと営業、テクニカルサポートとプロダクトに依存したプロフェッショナルサービスだけだ。付録に示された「プロダクトマネージャーのためのセルフチェックリスト」を見れば、そのことがより明確に分かる。本書を読んで痛感したのは、日本で生まれた本来の重量級プロダクトマネジメントを正確にしっかりと日本に伝えることが必要だ。特にIT業界にはその必要性が高い。
【3】
PdMがどんな仕事なのか勉強したく読んでみました。■良かった所・教科書のような網羅性仕事で気になるようなことは全部書いてあります。まずはこの本で体系的に勉強すれば間違いないと思います。
【4】
社会の失敗事例を掲載されているので、タメにはなります。同じようなことをだらだら書いているように見えてしまったため、ページ数を半分に圧縮できたはず。
【5】
とてもわかりやすく参考にさせていただいておりますありがとうございます
【6】
プロダクトマネジメントに必要となる極めて広汎な知識領域について、基礎知識や著名なフレームワークを解説している。プロダクトマネジメントを体系的に俯瞰する辞書として有用だが、個別の領域の知識は広く浅くであるため、知識が不足する領域を確認し、深掘りするための入門として活用することが良いと思われる。
【7】
日本では プロダクトマネジメントを学ぶ時に良い教科書があまりありません。 しかし こちらの方は いわゆるおかたい教科書としても使えますし、 実際に実践的な教科書としても使えます。今週に携わっている方や帯に感想を書いてる方々からも絶賛されている一冊ですので、 プロダクトマネジメントに関わる日本人の方であれば必ず読んでおくことをおすすめします。
【8】
「すべて」と冠する通り、網羅的に書かれているため、ボリュームは多いものの、PMとして主要な知識はちゃんと前半に寄せられているため、例えばエンジニア上がりのPMにおいては後半は流し読みで理解できるだろう。知らなかった知識も多く、良書でした。
【9】
新品を注文したのですが、帯や表紙が折れていて中古品のような状態で届き残念でした。
【10】
浅いです。プロダクトマネジメントを学ぶ本として、上司にオススメされたので購入しました。「とりあえずPart1(Chapter1〜3)を読みきろう」と思い、最初の27ページ分を読みました。ん? つまりどういうこと?結局これは何が言いたいの?もっとシンプルに書いてくれる?そういう感想ばかりが頭の中に浮かんできて、集中できませんでした。文章としておかしい。主語が無い。大事な用語の定義を曖昧なまま、話を進めている。そんな本です。一番イライラしたのは、PMFについて。「PMFが達成されなければプロダクトを通してビジネスを続けことができない。」と書いてあるので、PMFとはとても重要な概念なんだと思いました。しかし、肝心のPMFについての説明が一切無いのです。一応、有名人のセリフを引用して「PMFとは強力な価値仮説を見つけることである。」とは言っています。しかし、「価値仮説を見つけること」とは、具体的にどういう状態なのか?その後の文でも「PMFが成立する…」「PMFを見つけられない…」と、PMFという単語が出てきますが、「〜価値仮説を見つけること」がPMFなのに、「成立する」とか「見つける」などの、日本語的に後ろに来ないはずの名詞、動詞を後ろにつけていて、おかしい文章になっています。まあ細かいところは飛ばして、全体を理解しようと思って読み進めますが、その後も浅い話が続くのです。ガッカリしたのは「3.2 プロダクトマネージャーに必要なスキル」という節。発想力とか計画力とか「スキル」をただ羅列して説明するだけのパート。個人的な感想ですが、はっきり言ってダサいです。「こういうスキルが必要です」と言って、それを並べてひとつひとつ説明を並べる。ただのページ稼ぎとしか思えませんでした。「具体的に何をすればいいのか」を求めていたので、「〇〇力」などという陳腐な表現はかなりイラッとしました。私の感覚の話なので、ここは参考になるか分かりませんが…。ただ、ところどころでプロダクトマネジメントに役立つフレームワークや考え方が載っていることがあるので、そういうところをつまんでいって読む分には役に立つと思いました。
※この記事は 2025年6月27日 時点の情報です