評価:★★★★ (4.8 / 5)
📢 Amazonでの購入者の声を紹介します
【1】
としか言えない自分の語彙の無さ…とほほ4巻目は どちらかというと近代における人種間の争いにテーマが置かれている話が多い作品発表当時はまだジプシーと呼ばれていた今なお謎の流民ロマへのナチスの迫害と虐殺南アの人種隔離政策アパルトヘイトが残した深い爪痕アイルランドとイギリスの宗教対立も含む今なお続く抗争(戦争?)古代から連綿と続く民族や宗教の対立・抗争・迫害そして虐殺それらは近代になっても止むことは無く 今この時もそれは続いているおそらく人間が存在し得る限り それは決して世の中から消えることはないだろうそんな中でもその残酷さ そして その後に残る空しさに気付いた者だけはその争いから一歩身を引いて争うことを止め 平和を祈りながら生きていくべきだそんなことを教えられているような4巻目でしたねちなみに 製本は少し良くなったが まだまだ 集英社や講談社の特装版には負けてるぞ結構なお値段なんだから もうちょっと頑張れ 小学館!
【2】
1話完結ですが、短い映画を見ているような気分になります。普段は活字中毒で文章ばかり追いかけていますが、ちょっと疲れた時とかに、この漫画を読んでいます。知的な雰囲気がする漫画なので大好きです。家の近所の本屋で3巻まで購入しましたが、4巻の在庫がなかったのでアマゾンで購入しました。こういう時に助かりますね。
【3】
まえのコミックスからの修正箇所を確認しながら読むのも楽しめる。
【4】
キートンの舞台の過半は欧州であり、欧州の歴史や文化を私達日本人が全て知っているわけではない。完全版は、連載当時から20年を過ぎているため、当時は時事ネタに成り得たアパルトヘイトや東西ドイツの融和が、今となっては何の話か分からない人もいるかもしれない。しかし、それは、本書の欠陥ではなく、知らないことを知ろうとしない愚者の問題だ。そして、本巻では、私達日本人の多くが十分には知らない、しかし、人間が歴史を歩む上で看過できない出来事をテーマに据えた連続モノが二つ収録されている。一つは、ナチスとジプシー(ロマ)を題材にした「来た男」三部作。もう一つは、IRAと英軍のベルファスト抗争を題材にした「偽りの三色旗」「偽りのユニオンジャック」である。どちらの話も、マンガの中では、哀しくも救いあるラストを用意しているが、その哀しさをこれまでいくつも生み出してきた人間同士の争いや憎しみ自体がなくなったわけではない。確かに、過去のことかもしれないが、少しでも知ることで、同じではないがよく似た過ちを犯さないように生きて行きたい。もちろん、これらの作品は、きわどい題材だから面白いのでもなく、テーマが深いから良いだけでもない。前者では、複雑な展開だけにとどまらず、キートンに敵対することになる謎の暗殺者を登場させたり、後者では、敢えてキートンを脇に回して、また、IRAやSASではなく、新聞記者を中心に据えたことで、偏りのない、故に一層に闇の深さが見える仕上がりになっている。そして、そうした闇の深さの分だけ、作者は人の心が持つ灯りをいくつも用意してくれている。「偽りのユニオンジャック」は、今後も本作が描く戦争や軍隊の闇の深さを提示してから、しみじみと人の優しさや許す心を示すことで、本当は何も終わっていないけれど、終わらそうとする努力の尊さが感じられる。それにしても、これだけの重さをもつ作品が本巻の約半分を占める中で、最後の話が「アザミの紋章」というのは絶妙のバランスだろう。これだけ軽妙で、本当に肩の力を抜いてくれる作品はそうはないのだから。
【5】
▼第1話/ハーメルンから来た男 ▼第2話/ハノーファーに来た男 ▼第3話 オルミュッツから来た男ソ連がぐだぐだになってる状態での「凶悪な東側の人」登場の巻。ロマ民族(ジプシーは言っちゃいかん語らしいけどそれへ「チガニー」のルビ)の伝統と「ハーメルンの笛吹き男」の隠された事実が面白い。▼第12話/アザミの紋章「スコットランドは暗い」「スコットランド人は世界中でやっていける」というある種のお約束通りの話。ダニエル・オコンネルというアイリッシュな名前の上司と半分イングランド人の主人公が一緒に仕事を、という二次元の理想郷が指摘されているが、同時にキートンはSASの人なので、ベルファスト(IRAの関係のアレ)の地獄を経験してもいる、と描かれ、「オコーナー」というテロリストが、SASにいかなる凌辱をされたか、で彼女がいかにしてIRAへ行ったかも描かれる。甘くない。
【6】
イギリス人と日本人とのハーフの平賀・キートン・太一を主人公にした漫画『マスターキートン』です。この『マスターキートン』当時の世界情勢から、古代の歴史、または人間としてのありようなど学べる漫画で、多くの人にオススメしたい一冊です。また、話によっては泣ける話もあり、この巻に収録されている中年の白人タクシードライバーと黒人男性の友情の話は、読んでいて泣けます(因みに僕はラストのシーンで泣いてしまいました)。それとIRAの話は読んでいて、IRAとイギリス軍、果たしてどちらが悪なのか、という事を考えさせられます。
※この記事は 2025年6月27日 時点の情報です