評価:★★★★ (4.7 / 5)
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「正直不動産」第20巻は、空き家問題や不正な住宅ローンの利用といった、現代の不動産業界に潜む闇を掘り下げた作品です。この巻では特に、主人公の永瀬と彼の宿敵であるミネルヴァ不動産との対立が激化し、不動産業界が抱える社会的な問題に鋭く切り込んでいます。読み進めるうちに、不動産業界が単なる「家を売る仕事」ではないこと、さまざまな社会問題や倫理的な葛藤が関わっていることが強く感じられました。本巻では、ミネルヴァ不動産が空き家の買い取りに力を入れ始める一方で、空き家の放火事件が多発するという不穏な展開が描かれています。この状況に違和感を覚えた永瀬が、ミネルヴァ立川店の神木が担当する空き家を訪れ、驚きの光景を目の当たりにするシーンは、ミステリー要素も感じられ、物語に一層の深みをもたらしています。空き家を巡る問題は、実社会でも深刻であり、特に都市部の不動産市場においては「放置された資産」としての側面が強調されています。本作を通して、空き家の扱い方に関する法的・倫理的な課題についても自然と考えさせられました。また、本巻のもう一つの見どころは、ミネルヴァ不動産内部での権力争いです。鵤のもとで本店を率いる雪野が、社内で力を蓄え、ミネルヴァを乗っ取るための計画を進める姿勢には、企業内でのサバイバルが描かれ、現代資本主義の冷酷さを感じさせます。組織内での信頼関係や派閥争いが、ただのビジネス漫画に留まらず、リアルな人間関係の構築を描写する要素として作品に奥行きを与えています。良かった点としては、空き家問題やサブリース契約のリスクなど、普段あまり知る機会のない不動産関連のトピックについて深く掘り下げている点です。実生活ではなかなか触れない業界用語や制度の裏側も、わかりやすく説明されているため、不動産に詳しくない方でもスムーズに理解でき、勉強にもなります。また、物語全体を通して、登場人物の人間性や葛藤がリアルに描かれており、社会問題と人間関係が複雑に絡み合う様子が圧巻です。一方、注意すべき点としては、内容が非常にリアルであるため、物語の進行が重く感じられる部分もあるかもしれません。特に空き家問題や不正利用といったテーマは、現実世界に存在する問題であり、シリアスなテーマが続くと息抜きが必要になる読者もいるかもしれません。また、物語が高度に専門的な内容に踏み込むため、詳細な部分に興味が持てない方にはやや難解に感じられる場面もあるでしょう。この巻は、不動産業界に興味がある方や、社会問題に関心がある方には特におすすめです。単なるエンターテインメントではなく、不動産業界に存在する課題や倫理観について深く掘り下げる内容なので、現実世界における不動産の役割や業界の複雑な構造について考えさせられる一冊です。不動産のプロではなくても、住宅ローンや空き家問題など、身近なテーマに触れているため、一般の方でも興味を持って読み進められる作品になっています。社会問題とエンターテインメントが見事に融合した本作は、読み応えがあり、知識と視点の両面で満足感を与えてくれる一冊です。不動産の知識が少ない方でも、ぜひ一度手に取ってみてください。
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普通にタメになるし、面白い
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個人的に思う正直不動産の魅力は主人公の青臭さというか不動産屋はこうあるべきだという思想があるのが良い。単に不動産の知識を発信するだけの漫画じゃない。今回の巻もそういうところが良く出ていた。
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0.これまでのあらすじ嘘が蔓延する不動産業界で、嘘を尽きまくって営業トップになっていた永瀬財地。しかし、ある日石碑を壊した祟りで嘘がつけなくなってしまった。正直営業に方針を転換した永瀬は、やりがいと喜びを感じるようになっていく。そこへライバル・ミネルヴァ不動産との戦いが始まり、もと上司の神木は、ミネルヴァの立川支店長に就任した。さらにミネルヴァにも正直営業の雪野が入り、店長・鵤、神木と内部の抗争が激化していく。そんな中、神木に入れない家が出現。気になった永瀬は?今回は、空き家(後編)、住宅ローン不正利用、賃貸オフィス、逆ざやサブリース、遺品部屋(前編)1.ディーン神木と空き家問題今回の巻末スペシャル・インタビューは、ドラマで神木役だった、ディーン・フジオカさんでした。ディーン・フジオカさんの、神木の印象は、ずばり、”狂気”。・・・ですよね。しかし、彼の狂気は、妻と息子への愛の深さからくるものです。さらに、彼は、自身の狂気を自覚して客観視しつつ狂っているからタチが悪いです。正気に戻ったら生きていけないんでしょうね。そしてそれを自分でもわかっている。売れない家は、彼の亡き妻の、実家でした。15年。もう15年。まだ15年。私も父や祖父母やペットを亡くしていますが、どっちも思いますね。そんなにたったんだと、まだそんなもんかと。空き家が増えていることが大きな問題になっていることは知っています。特に田舎の方は増えている印象ですね。私の実家の近くも空き家が多いなと思います。これから人口が減っていって、もっと増えていくのでしょう。永瀬の言うように、ここ70年の価値観に踊らされ、破滅に向かって新築を続ける現状はどうかなと思います。しかし、こういう神木の義実家のような家を見ると、再利用ってどうなんだろう、立て直した方がいいんじゃないか、とも思います。私は賃貸ですが、家を見ると、前どんな人がそんな生活をしていたのかな、と思わせる痕跡が残っていることがあります。それが多ければ多いほど、前の住人の思い出が強ければ強いほど、後から住む人間は住みにくと感じることが増えると思います。前の住人の思いが詰まった家は、ちょっと住みにくいですよ。。今回のようにNPOが使うのは一つの方法だと思いますし、まあ、賃貸ならまだいいと思いますが、自分の家を買うとしたら、やっぱり新しい方がいいなと思ってしまいます。新しい家、新しい部屋は、一般的に新しい生活のスタートですからねえ。2.努力が報われる世界を賃貸オフィスの話は、個人的に身にしみる内容でした。”子どもの学力や学歴と親の年収は比例するってよく言いますよね。そんな負の連鎖を断ち切ろうとしたら、環境に恵まれなかった子は、裕福な家庭の子たち以上の努力が必要です。でもーー教育に使うお金に差がある以上、闇雲に努力しても簡単には追いつけない。”私も両親が高卒で大学に行ったクチでした。苦労しました。とにかく金がないから奨学金をもらいまくり、国立しか行けないから必死でした。私立の大学もいい成績で受かったのに入学金が払えないから諦めて、金持ちの親の金で受かったアホが入っていきました。悔しかったです。入学してからもみんな車を持っているのに買ってもらえず乗せてもらって、古い畳の和式のトイレのアパートに住んでました。辛かったです。不動産とか関係なく、生まれで決まる現実は間違っていると思います。生まれに関係なく、才能が認められ努力が報われる世の中になって欲しいです。とりあえず、政治家の世襲をなくすところからでしょうか。3.永瀬の独立はまだ先永瀬と桐山が独立を考えて動き始めました。しかし、永瀬はやっぱりまだ独立しないことにしました。なぜか?ミネルヴァ不動産をぶっ潰してから!桐山も協力するんだそうです。どうやるのでしょうかねえ。今までの感じだと、ミネルヴァは支店も出して、登坂不動産は完全に水を開けられてしまっている印象ですけどね。ドラマの最終回みたいな感じになるんでしょうか。そして、永瀬が社長になって自分の正直不動産を立ち上げたら、この物語も終わりを迎えるのでしょう。頑張ってミネルヴァ!負けないで!終わっちゃうから!!(笑)もうちょっと彼らの活躍を見つつ、不動産の知識を得ていきたいです。個人的には、変な英語を使う小室さんは、キャラ立ちしていて好きなので、スタディせずに懲りずに登場して欲しいですねー。
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続きが楽しみです。
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大変面白い本でした。
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この作品自体は非常に面白く好きな作品で全巻そろえている、だがAmazonの本の梱包が雑になっている、直に段ボールに入れているからだろうか、カバーが折れ曲がっていた。丁寧に梱包してほしい。
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(この巻でなくて恐縮だが)「日本の住宅が高性能と言われているのは間違い!」「世界断熱選手権があったら日本は世界最弱国!」「欧州基準では違法になりゅううううう!!」だそうだ青年漫画にありがちな卑屈と謙虚をはき違えた出羽守偏った幼稚な知識で日本を叩いて、己の評価を上げたいのが見え見え少し前なら一部の無知は騙せたのかも知れないが、例のサンフランシスコ山火事の後だ先進国中の先進国アメリカの上位数%が住む家が、結局はツーバイフォーの安普請だとバレてしまったそれ以下の大半の人間はあんな家には住めていない。そんな住宅が耐火・耐震・断熱と全てが高性能だろうか?そんな訳がないw欧州の基準にしても同じだ数年前なら感心する人間も多くいただろうが、今は欧州によるEV推進の末路真っ最中欧州人は現実を見れない見栄っ張りだと、余程の無知以外はこれでもかと認識させられた筈だ夢みたいな高い基準を強いて実際は…、もしくは他にしわ寄せが言ってるかのどちらかだろうそもそも暖房冷房設備からして日本とその他先進国では違う日本の様な高性能個室用エアコンすら普及しておらず、庶民には大袈裟極まるセントラル空調だそりゃ光熱費が凄い事になるだろうよ『青年漫画に名作無し』を地で行く読み捨て漫画ハッキリ言って”まともな大人”が喜んで飛びつくものでは無い
※この記事は 2025年7月2日 時点の情報です