評価:★★★★☆ (4.3 / 5)
📢 Amazonでの購入者の声を紹介します
【1】
読書スピードについては人後に落ちない自信があるが、『黒牢城』(米澤穂信著、角川文庫)には想定外の時間を要してしまい、読み終えた時は疲労困憊してしまいました。織田信長の有力武将であった荒木村重が毛利方に寝返り、堅固な有岡城に籠城します。そして、翻意を促そうと信長の麾下の羽柴秀吉が遣わした使者・黒田官兵衛(孝高)を土牢に監禁してしまいます。ここまでは史実だが、織田の大軍に囲まれた城内で奇怪な事件が続発し、人心が動揺するのを恐れた村重が牢中の官兵衛に謎の解明を求めるというのは、米澤穂信の途方もない想像力のなせる業です。推理小説であると同時に、村重の心理小説であり、死にどう対処すべきかという宗教小説でもあるという、奥行きのある作品です。村重の年若い側室で、奇想の画家として知られる岩佐又兵衛の母である女性が登場することを付記しておきます。私の場合、その作品の魅力を伝えたいという思いから長い書評になるのが常であるが、今回は、疲労が激しく、長く綴ることができません。この疲労感は、頼みとする毛利の援軍が一向に来ず、勝ち目のない籠城戦が延々と続く村重の心情を読み手に体感させようという米澤の企みかもしれませんね。
【2】
おもいっきりミステリーで全く予想できない展開でした。おもしろかった!
【3】
黒田官兵衛の知恵が、深過ぎます。知恵という言葉が本当にしっくりくるんです。ただ知識があるとかとは違う、人間の心理を奥底まで知っている感じがします。恐ろしいくらいに。少しでも黒田官兵衛を知っている人は、絶対に読むべきです!
【4】
歴史小説にしては重くないなと思ったが、解説を読んでわかった。ミステリーだったんだね、歴史小説ではなく。解説も軽いし。でも、荒木村重という名前だけは聞いたことがある人や、伊丹の城のことを知ったのは、関西人としては良かった。
【5】
時代劇も好き、推理小説も好きな私には大好物でした。新感覚です♪
【6】
荒木村重に着目したのは面白いが、終止城内でのエピソードばかりだったので間延びした感じがした。
【7】
重厚な歴史小説の体裁を保ちながら、違和感のない形で謎解きを散りばめ、最後に伏線回収から遠大なテーマにつながる、一体どこからどう構想したのでしょうか? これを読んでしまった後では普通のミステリーが子供っぽく感じられてしまい困ります。
【8】
まるでミステリー官兵衛の智謀恐るべし陥穽に嵌まる村重の心理謀反人はいなかった史実は知っていても展開が読めないスリリングな作品
※この記事は 2025年7月4日 時点の情報です