価格:2420円(ポイント 73pt)
実質価格:2347円
ブランド:日経BP
評価:★★★★☆ (4.3 / 5)
📢 Amazonでの購入者の声を紹介します
【1】
何かが違う、なんとなくおかしい。些細で無視しがちな違和感、数値と連動しない組織の不全感、そして気づけば組織を蝕んでいく構造的無能化、その寛解を目指すための一冊。本書でも言及されているが、V字回復に代表されるような、エキサイティングな内容ではない。しかし、多くの人が組織に感じるモヤモヤを解消し、組織の力を取り戻すという目的なら、まさにこの本はその道標となるだろう。
【2】
特に前半は、自分の会社のことを言い当てられていると思うくらい、共感を持って読めた。DXなど会社の改革改善を考えている人にはとても参考になると思う。ただ恐らく、多くの人が共感を持って読んだとも考えられるので、その分話が抽象化されているとも言える。具体的な改善アクションを考えるためでなく、俯瞰的に見て現状把握するのに役立ちそう。
【3】
「対話」の本質..."相手の生きる世界を相手の視点で捉え直し、それに自分が応答し、自分が変わっていくプロセスこそが対話である"、"対話とは本来、わかったつもりになることで見えなくなっている事象に対し、自分はわかっていないという前提に立って、その人に何が起こっているかを資料とすることである"、と語りながら..."私たちが状況を理解する前に、つい、解決策を先取りしてしまうからである"というところから、"自社の守るべき価値基準や固有の経営資源があり、それを活かすことで、新たな価値を生み出すための知恵も得られる"..."分析においては革新的、理念においては現実的、方法においては保守的、行動においては現実的でなければならない"、とつながてくれます。守るべきものと変えるべきものを、どのように見極めて取り組むかを教えてくれます。
【4】
本書で取り扱っている「企業変革とそのジレンマについて」とは少し異なるかもしれませんが、私の感想を素直に記載しておきます。私も小さいながら企業を経営している身なので、強い企業になるには?と常に考えてきました。逆に言えば、常に自社の弱さにおびえているとも言えます。本書では、それを解消する1つの答えが書いてあると思いました。改めて考えると、私が今まで思っていた「強い企業になる」とは‐ 企業の持つ基礎機能(営業、生産、流通、経理…)を圧倒的に強化する‐ 他社にはないオンリーワンの資産、仕組みを持ち活用する‐ 継続的に成長出来て市場規模が大きい事業に取り組む、または買収する‐ 強いリーダーシップ、カリスマ性を発揮するオーナー社長経営をする‐ 戦略コンサルタントやプロ経営者を招聘し外圧による改善をするといったようなことを思っていたのかもしれません。本書にはそのようなことは一切出てきません。詳しい内容は是非本書を確認いただきたいのですが、シンプルかつ本質的な企業力向上へのアプローチが書かれています。会社とは人の集まりであり、社会の一部であるという当たり前の前提の中で、皆で会社・社会を作っていく、変えていくという行為をどのように行っていくべきか?改めて、色々と気づかされました。
【5】
私は企画部門に所属しており、企業変革がなかなか進まない現状に、もどかしさを感じていました。本書は、その企業変革が進まない原因を丁寧に解説してくれる一冊です。市場や技術の急速な変化、顧客ニーズの多様化、そして持続可能性への対応が求められる中、企業にとって変革は避けられません。しかし、組織内では、経営層のビジョンや具体的な行動計画が欠如しており、戦略と現場が乖離しています。また、部門間のコミュニケーション不足や認識のズレ、中間管理層の抵抗といった対立も問題です。さらに、現場では受動的な態度が根強く、危機感が不足しているため、表面的な数値目標に追われ、真の自発性が欠如している状況です。本書は、これらの問題に対する解決策も明確に提示しています。課題を深掘りし、経営層の合意形成を進めること。そして、現場の意見を取り入れた戦略の明確化が重要です。また、全社的な対話を促進し、部門間で共通認識を持つことが求められます。危機感を煽るだけでは効果がなく、共感を得ることが不可欠です。組織文化を変革し、メンバー同士の協力を奨励し、アイデアを共有・育成する仕組みを整えることで、現場の自発性を引き出すことが可能です。変革の実行プロセスでは、支援機能が重要な役割を果たします。全社戦略や各事業部門での議論をファシリテートし、上層部のビジョンと現場を統合することで、部門を超えた協力体制を築き上げることが求められます。変革を成功させるためには、対話的なアプローチが必要です。問題に単に対処するだけでなく、対話を通じて新しい発見を促し、共感を生むストーリーテリングを活用します。全社戦略と現場の課題を共有し、共通の目標に結びつけることが鍵です。さらに、持続的な変革を実現するためには、直線的な論理と曲線的な論理を接続し、ルーティンからこぼれ落ちた課題を再構築していく必要があります。本書は、特に経営層に読んでもらいたい内容。企業変革の参考になる内容。
【6】
企業変革がなぜ難しいのかを語る。他の方のレビューを見て欲しい。共感している人、手厳しい人、まさに賛否両論である。これが本書の特徴をよく示している。強い意志で変革を貫徹する覚悟があり、痛みを負ってでもいいから成功に近付く方法論が欲しい、そういう人には、本書は手ぬるいポエムに映るのかもしれない。だが、それは誰のための変革だろう?企業は何のために変革するのか?まだ倒産はおろか、赤字ですらないのに?そういう、変革のWhyから納得感のない状況、著者の言う “慢性疾患” の状態でどう変革するのか。それが本書の主題である。そして切れ味のいいノウハウはもちろん出て来ない。だから例えば必要なプロセス①は「全社戦略を考えられるようになる」である。戦略が不明瞭で、縦割りやイノベーションのジレンマに落ち込むのは、戦略を考える能力がないからだ。経営陣が全社最適の戦略を考えられるようにならないといけない、と主張している。これほど日本的な提言があっただろうか?本書はここまで冷静に、安易な前提を置かずに企業変革を見つめている。これがコンサルとの違いである。非常に面白い。提言が弱すぎるので星4つと迷ったが、最後の章に共感したので気を取り直して星5つ。続編に期待したい。
【7】
既に別の方が指摘していますが、あまりにも企業変革のリアリティからかけ離れている印象。「構造的無能化」というネーミングは見事で、企業変革にケアの視点を持ち込んだのが本書の意義だと思う。しかし、著者はどのレベル感の企業変革変革のことを言っているのか?本当に企業変革の表裏をわかっているのか?元ネタは「ハイフェッツの適応課題」とナラティブ・アプローチの焼き直しではないか?また提示されている処方箋にも、疑問が残る。確かに他者の痛みを知るケアの視点は大切だが、企業変革においては、そのケアの視点だけでは生き残れない厳しい現実がある。実際の変革事例の記載はなく、経営者の葛藤・せめぎあいの心理も全く描かれていない。実際の変革を体験した人間からすると、聖書などを引用して、美しくキレイごとで語る姿勢には、少し偽善的な違和感を感じた。企業変革の現場は、修羅場にならざるをえない。企業内研修とは違うのだ。推薦の言葉を書いている富山氏は、実際にご自分が何をしてきたか、胸に手を当ててほしい。本書をエッセイとして読むのは面白いが、これを企業変革の理論的な本というのは無理があるだろう。企業変革の理論に興味をもった読者は、山岡先生(「変革とパラドックスの組織論」)など、実際の事例に基づいた丁寧な研究を積み重ねている中堅の研究者たちがいることを知ってもらいたい。メディアに踊らされず、地道な研究者にもっと光が当たるとよいと思う。
【8】
組織で仕事をしていて「なぜ上手く行かないのか分からない」理由が丁寧かつ分かりやすく分解されていてすっきりした
【9】
勤めている会社にいると客観視できなくなる。こちらの書を読んで瞬間移動俯瞰ゾーンに立つことができました。新たな視点で問題解決抽出のきっかけになります。
【10】
鼻血が出そうになるくらい面白かった!エンゲージメントサーベイの話は、まさに自社でも感じていた事だったので、当事者になった気持ちで読むことができた。
※この記事は 2025年6月26日 時点の情報です