評価:★★★★☆ (4.4 / 5)
📢 Amazonでの購入者の声を紹介します
【1】
一番穏やかでマイペースっぽかったまりんちゃんママの最後のシーンに体感温度が下がる思いがした。次はまりんちゃんママが吉J女子での競争で闇に囚われていくような予兆を感じつつ…すごい構成だなと。うちは関西なので首都圏とはまた事情は異なると思うが、中学受験はつくづく特殊な世界だと思う。・親と子の距離がまだとても近い・子供の自走だけでなんとかなるものではない・成長期真っ盛りなので、この漫画のような逆転が余裕で起きるそれらに加えてどんどん難化していく入試問題。この漫画のようなことは、決して遠い話ではないと思う。塾は子供たちの学力を上げるというよりは、テストでふるいにかけて光る子を掬い出し、その子達を受験問題に特化してゴリゴリに鍛え上げる。学校側はそんな精鋭たちを選抜するために、より一層問題を複雑に、特殊に、難化させていく。中学受験はそろそろ見直されるべきではないだろうか。もちろんスポーツや芸術の世界と同じく、偏差値という記録で高みを目指す!という子がいても良い。だけど偏差値だけでなく、学校の特色から子供の個性に合った学校を志望校に選べたらいいのになと思う。
【2】
作者さん買いです。結末見てこの作者さんらしいな〜と思いました。まりんちゃんの親だけずっと綺麗すぎたので、最後の最後でゾッとするような、綺麗にまとめて終わらせないような感じになっていて、読み物として非常に好きでした。振り返ってみると、序盤の綾佳ちゃんママの言動がナチュラルに失礼で読みながら「おや、?」と思っていたので、よく考えたらまりんちゃんママだって笑ってるだけで内心穏やかではなかっただろうし、まりんちゃんを誰よりも大事に思っているからこその最後の台詞なのだと思いました。綾佳ちゃんとお母さんの関係は前進しましたが、ずっと綾佳ちゃんママから「下」に見られていたまりんちゃん(とお母さん)には謝罪があったわけでもないですし、そのしっぺ返しとして見ても最後の台詞は納得感があります。勝ち負けや上下で他者を値踏みしていると、それは言動に滲み出てしまうものですし、立場が変わった時に痛い目を見るのは自分ですからね。(恐らく読者は綾佳ちゃん親子に感情移入して読みがちなので、最後胸くそ感を味わう方はたくさんいると思います笑、私も例に漏れず...)登場する3人の母親と子どもたちの中で、まりんちゃん親子だけ些細な衝突があっただけでかなり順調に進んでいき、最終的には唯一「上」にいった訳なので、これから更に熾烈な世界でまりんちゃんママがどうなっていくかは、見ものだなという感じがします。
【3】
このシリーズ(作者がそれぞれ違うからシリーズと言うのも変かもしれないですが)、リアルな描写もあり、とても考えさせられるんですが、最後の最後がなかなかちょっと…。人によって後味が分かれる気がします。
【4】
めちゃめちゃ忠実に描かれてる…。まだ我が子は園児だけど、親目線で見入ってしまいました。みんなの気持ち、分かる〜〜〜!
【5】
シリーズ通して読んでますが、最も異色かも。特に登場する子どもたちがほんとに生き生きと描かれており、故に苦しみも喜びも心に迫るものがあります。我が家は中学受験はしませんでしたが、部活であったり習い事であったり、親と子が一体で向き合う物事すべてに共通するものが主題にあります。親だけでなく子どもたちにも読んでもらいたい作品です!
【6】
日本の父親って本当に役に立たないな。雲行きが怪しい時は腫れ物扱いして近寄らず、何となく奥さんの機嫌が直ってきたら「受からせてあげたい」とか泣いたりして、まるで家庭にいる意味ないのだが…。もう一人の父親はまさに教育虐待のクズで害でしかないし。子供達が純粋で強くて、助け合いの精神もあったからひどくならなくて済んだ、みたいな話だった。二人の女児の母親はそれぞれの子供を使って「こっちが上」だの「下に見られてる」だのと実に醜い虚栄心の争いを繰り広げますが、こういうのってウワーと思いつつ、つい読んでしまいますね。子供との自他境界がない故に子供同士の比較が自分にも響く?という感じなのでしょうか。ママと私は違う、とハッキリ言われないと分からないものなのでしょうか。あと中学受験というのは、射幸心を煽るビジネスだなーと思います。中学年の学力なんて、一握りの飛び抜けた天才以外はみんな同程度ですが「うちの子こそ、その一握りの飛び抜けた天才かもしれない…!」と口の上手い塾講とかに惑わされるらしい。そのマインドは親ではない私には分からないけど、自分の子ってきっと特別な気がするのでしょう、他人から見たら普通でも。潤子さんだけが最初からママはあなたの味方、と親として子供を守る責任を果たそうとしてたと思います。全ての親がそうであって欲しい。
【7】
うちの子も中学受験を目指して塾に通っていますが、ここまでのご家庭は聞いたことがないですね。そりゃ内心「〇〇さんの子供に成績が負けている」みたいに悔しい思いをする人は人間ですからいるでしょうけど、それで教育虐待レベルで子供にキツくあたるご家庭は少なくともうちを含めて周囲で見たことも聞いたこともありません。ごく一般的な受験家庭の話だと漫画として面白くないんでしょうけど、じゃあこの内容がどうかと言うと、子供が辛い思いをし続ける描写が多く、読了後に手放しで面白かったと賞賛できるような内容ではありませんでした。
【8】
周りの子と自分の子を比較して、志望校不合格なんて受け入れられなかった親が、最終的にその子本人を見つめられるようになって、その子に合った学校に行くことになってめでたしめでたし。と思いきや、エピローグの「勝った」で興醒めしました。結局他人との比較で終わっていくのかと。。。
【9】
まず「このレベルの絵で本が出せるの?」ということに驚きました。失礼ですが小学生の落書きみたいな絵です。今どき、そこらの主婦が趣味でブログで発表している絵日記のほうが余程上手です。絵が下手でも味があるとか、重い内容を中和させる効果があるならまだしも、内容もネット上の中受あるあるエピソードをかき集めたような薄いフィクションなので、ただ下手な絵だけが印象に残ります。3組の母子が入れ替わりながら話が進むのですが、そのうち2人が髪色も表情も同じなので「○○ちゃんママ」とセリフが無ければ誰の話か分からず混乱します。自分の出身の有名中学に固執し息子を罵倒する父親や、自分が中受に失敗して母親から罵られたトラウマを娘で晴らそうとする母親など、過去の受験ドラマや漫画でさんざん見たようなキャラクターばかりで新鮮味がないです。フィクションなら小説「翼の翼」レベルまでエグく深く描き切らないと描く意味がないと思います。個人的には、エピソード寄せ集めのフィクションではなく、著者が実際に経験した、普通の親目線のリアルなノンフィクションが読みたいです。
※この記事は 2025年6月27日 時点の情報です