評価:★★★★ (4.8 / 5)
📢 Amazonでの購入者の声を紹介します
【1】
ついつい次を読みたくなります。面白くて時間を忘れます。1話完結なので、読みやすいです。
【2】
その昔某企業で安全管理の業務に就いていた時一番最初に手順書等に書く文言は『ここまでやれば十分、と言える安全策は無い』ということだったこの8巻の中にある『狂った太陽』という作品の中に『核を制御できるなんて、人間の思い上がりだ』という核科学者の言葉が出て来る原子力発電所を建設する前の日本国にこれら二つの言葉と 2011年の原子炉事故の件を聴かせて答えを問いたいものだ
【3】
ロンドンの中華街、横浜の中華街、中国料理店の頑固親爺とその娘、香港生まれのイギリス人、日英中を結ぶ孫文、昔食べた懐かしいあの味は…「特別なメニュー」。“人間はこの先何度もチェルノブイリのような地獄をくり返すことだろう…”まったくそのとおりで、ため息が出る…「狂った太陽」。保険調査会社の相棒ダニエルとキートンの出会いのエピソード…「オプの生まれた日」。キートンより速く走るロンドン娘ビッキーと愛用のヘルメスのスニーカー…「靴とバイオリン」。8巻も傑作揃い。
【4】
2012年の日本に住む者にとって、「狂った太陽」を3.11と切り離して読める者はいないだろう。しかし、本来は「狂った太陽」は「赤い風」「赤き哀しみ」とともに、旧ソ連での、私達と同じように真摯に生きようとした者達が、時代が転じる中で、悲劇的な再会を迎えるしかなかったことを切々と伝えるものだった。それであっても、これらの作品が描かれた当時、バブル景気がなお冷め遣らぬ中で、10年も過ぎぬチェルノブイリ事故はおそらく忘れ去られ、原発建設が進んでいた日本で、チェルノブイリ事故を下敷きにした作品が書かれた点は改めて評価すべきだろう。そんな重く哀しい作品達と並んで、ヤング・キートンを描いた「聖夜の解逅」「オプの生まれた日」をはじめ、キートンと触れ合う中で、暖かく救われる何かを見出す人達がいることは、心の救いになる。
※この記事は 2025年7月3日 時点の情報です